ガラスは割れるもの?いいえ割れません!超高弾性ガラス編

2016年 7月 8日

超高弾性ガラス

ガラスといえば割れるもの。
筆者も小学生のときに謝ってガラスを割ってしまい怒られた経験があります。
しかし今回紹介するガラスはこの常識を覆す凄いガラスなのです。

このガラスは、「超高弾性ガラス」と呼ばれ、東京大学生産技術研究所が発明した。
ガラスは「弾性率」という値が大きければ大きいほど薄くて上部なガラス板になる。
一般的なガラスは80GPsほどだ。ちなみに鋳鉄は159GPs程度、鋼は200GPsほどといわれている。
では超高弾性ガラスはどうだろうか。
驚くことなかれ、なんと160GPsほどの数値をたたき出している。
つまりほとんど鋳鉄とかわらないのだ。

ではなぜにこのような強度を実現できたのだろうか。
弾性率を上げるにはガラスの原子間の隙間をなるべく小さくして「充填率」を高めてやることが重要である。
この超高弾性ガラスはアルミナと呼ばれるアルミニウム酸化物とタンタル酸化物という物質を用いることで従来以上の弾性率を向上させることに成功したのだ。
これまでもアルミナを含め様々な物質を用いた研究は行われてきた。
しかし例えばアルミナを大量に使用すると容器に触れた瞬間に結晶化してしまい、ガラスとしての機能がでないなどの問題が生じていた。
その為に一般的な溶解法という生成方法では実現することができなかった。
しかし今回これを開発したチームはガスを用いた新たな生成法「無容器法」という製法を生み出した。
その結果アルミナ含有率50パーセント以上というとても硬いガラスが生まれたのだ。